復讐アプリ
私は泣きながら、ヒステリックにそう叫んでいた。




「黒アゲハさん、今さら泣き叫んでも、黒アゲハさんはもう復讐アプリから逃げられないよ」




タツヤが私を、冷たい目で見つめて言った。




「黒アゲハさんは、利用規約を読んでないから、オレが教えてあげるよ。

利用規約第18条

相互支援の実施。

復讐アプリのユーザーは、互いに助け合い、憎い相手に復讐を果すこと。

また、一度でも復讐を手助けしてもらったヘビーユーザーは、永久に復讐アプリの発展に努めなくてはならない。

復讐アプリに投稿しなくなったヘビーユーザーは、アンチフォローされ、
アンチフォローワーが100人になったとき、そのヘビーユーザーは復讐の標的になる」




「それって、何なのよ!

何で私が、復讐アプリに投稿を義務づけられなくちゃならないの?

私はもう嫌なのよ!

あんな呪われたアプリなんて……」




「ちなみに、黒アゲハさんのアンチフォローワーは、今のところ、23人だよ。

このままじゃ、黒アゲハさんは復讐の標的だね。

そのときはオレたちも、黒アゲハさんの敵だから」




「もう止めて!」




私はそう言って、近くにあった本を手に取って、タツヤに投げつけると、
その本は、タツヤの体をすり抜け、壁に当たった。
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