復讐アプリ
〈 本がタツヤの体をすり抜けた……。

これっていったい、どういうことなの? 〉




「黒アゲハさん、そんなに驚いた顔をしないでよ。

オレたちは今、ここにいるけど、ここにはいないんだ。

グループチャットが始まったから、オレたちの映像が、黒アゲハさんの部屋の中に現れただけだよ」




タツヤはそう言って、笑っていた。




「黒アゲハさん、アンチフォローワーなんて、復讐アプリに何も投稿しなければ、すぐに100人になるよ。

オレは復讐の標的にされた気の毒な人を何人も知っている。

復讐の標的にされた人は、みんな残酷な殺され方をしたよ。

復讐アプリのユーザーは、残酷なことが好きなんだ」




私はタツヤの話を聞くと、恐ろしくて、寒気がした。




私は復讐アプリに投稿し続けなくちゃ、生きていけない。




私はやっぱり、復讐アプリから逃げられない……。
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