復讐アプリ
「タツヤさんは、復讐アプリが嫌じゃないの?

復讐アプリにいたら、誰かの復讐のシナリオをリアル化しなくちゃならないのよ。

少しも憎んでいない人を殺さなくちゃならないのよ」




「黒アゲハさん、オレはもう、そういうのには慣れたよ。

復讐アプリは、一度入ったら、抜けられない呪われたアプリなんだ。

だから、オレたちはもう、復讐アプリのルールに従って生きていくしかないんだ。

オレだって、アンチフォロワーを増やしたくはないからね」




「私が言うのも今さらだけど、復讐アプリって間違ってるよ。

憎しみは拡散しちゃいけない……。

復讐なんてしちゃいけない……」




「本当に、今さらだよね」




タツヤはそう言って、不気味に笑った。
< 74 / 244 >

この作品をシェア

pagetop