イジワル副社長に拾われました。
「え? なんで……?」
思わず私の口から驚きの声が漏れた。
だって、そこに映っていたのは未来さんと、白井さんではない男性だったから。
165センチの未来さんよりも大きくて、ガッチリした体系の短髪の男性は、肌の色もよく焼けている。
大きな口を開けて笑っていて、横に映っている未来さんも、幸せそうな笑顔を浮かべていた。
「それ、私の彼氏」
いつの間にかお皿に料理を盛ってキッチンからやってきていた未来さんの声が後ろから聞こえてきた。
「え?」
「黒岩宗介(くろいわ そうすけ)っていうの。航の親友よ」
「白井さんの?」
「とりあえず、座って。ご飯食べながら話しましょう」
思わぬところで白井さんの名前が出てきて、驚きで目を丸くした私に、未来さんはソファに座るよう促した。
そして、私に向かって頭を下げた。
「まずは琴乃ちゃん、土曜日は本当にごめんなさい」
「そんな、頭上げてください」
私の言葉に頭を上げた未来さんは、ポツリ、ポツリと土曜日の出来事を話し出した。
「あの日ね、会社の前のビジョンで地震があったってニュース、流れてたでしょ?」
「はい、私が『どこの国だろう?』って言ってたニュースですよね」
「そこにね、今、宗介が仕事で行ってるの」
「え? 宗介さんがですか?」
「うん。宗介ね、カメラマンでね。世界の紛争地帯や貧困の現状を伝える活動をしてて。だから、一応一緒に住んではいるんだけど、ほとんどここに帰ってくることはなくて、毎日仕事で飛び回ってる」
そこまで話すと、未来さんは目を伏せた。
「あのニュースを聞いて、動揺して。そしたらちょうど、琴乃ちゃんと約束していた航と廊下で会って、気が緩んじゃったのよね。心配で不安でたまらなくて、泣いちゃった」
「未来さん……」
あのときの気持ちを思い出したのだろう。未来さんのキレイな顔が、今にも泣きだしそうな顔になった。
「航はそんな私のこと、ほっとけないって思ったんだろうね。琴乃ちゃんと約束していたことを私には一言も言わずに、『アイツなら絶対大丈夫だ』って、泣き止むまでずっとそばにいてくれて。私の代わりに、宗介の安否の確認もいろんなところにしてくれたの」
思わず私の口から驚きの声が漏れた。
だって、そこに映っていたのは未来さんと、白井さんではない男性だったから。
165センチの未来さんよりも大きくて、ガッチリした体系の短髪の男性は、肌の色もよく焼けている。
大きな口を開けて笑っていて、横に映っている未来さんも、幸せそうな笑顔を浮かべていた。
「それ、私の彼氏」
いつの間にかお皿に料理を盛ってキッチンからやってきていた未来さんの声が後ろから聞こえてきた。
「え?」
「黒岩宗介(くろいわ そうすけ)っていうの。航の親友よ」
「白井さんの?」
「とりあえず、座って。ご飯食べながら話しましょう」
思わぬところで白井さんの名前が出てきて、驚きで目を丸くした私に、未来さんはソファに座るよう促した。
そして、私に向かって頭を下げた。
「まずは琴乃ちゃん、土曜日は本当にごめんなさい」
「そんな、頭上げてください」
私の言葉に頭を上げた未来さんは、ポツリ、ポツリと土曜日の出来事を話し出した。
「あの日ね、会社の前のビジョンで地震があったってニュース、流れてたでしょ?」
「はい、私が『どこの国だろう?』って言ってたニュースですよね」
「そこにね、今、宗介が仕事で行ってるの」
「え? 宗介さんがですか?」
「うん。宗介ね、カメラマンでね。世界の紛争地帯や貧困の現状を伝える活動をしてて。だから、一応一緒に住んではいるんだけど、ほとんどここに帰ってくることはなくて、毎日仕事で飛び回ってる」
そこまで話すと、未来さんは目を伏せた。
「あのニュースを聞いて、動揺して。そしたらちょうど、琴乃ちゃんと約束していた航と廊下で会って、気が緩んじゃったのよね。心配で不安でたまらなくて、泣いちゃった」
「未来さん……」
あのときの気持ちを思い出したのだろう。未来さんのキレイな顔が、今にも泣きだしそうな顔になった。
「航はそんな私のこと、ほっとけないって思ったんだろうね。琴乃ちゃんと約束していたことを私には一言も言わずに、『アイツなら絶対大丈夫だ』って、泣き止むまでずっとそばにいてくれて。私の代わりに、宗介の安否の確認もいろんなところにしてくれたの」