イジワル副社長に拾われました。
「それで、宗介さんは無事なんですか?」
私の言葉に未来さんは小さくかぶりを振った。
「まだわかんない。メールも入れてるんだけど、返信もないし。宗介の会社のほうも、まだ連絡が取れてないらしくて……。ま、仕事上危険な場所にも行くことがあるのはわかってたから、覚悟はして送り出してはいるんだけどね」
「そんな……」
「それで、ある程度できることはやって、家まで送ってくれてね。そこで初めて私、航に聞いたの。『どうして今日、会社にいたの?』って。そしたら気まずそうに目を逸らすからさ、これは絶対何か隠してるなって思って、無理矢理聞き出したのよ。そしたら『桐原と約束してた』って言うから、もう私どうしようって思って」
未来さんはそこで言葉を区切ると、手に持っていた缶チューハイをゴクリと飲んだ。
「メール入れても琴乃ちゃんから返事ないし、何か誤解してたらいけないと思って、康太郎さんに頼んで琴乃ちゃん引き留めておいてもらったの」
「そうだったんですか……」
「康太郎さんから聞いた。朝来た時に、目が腫れてたって。ごめんね、私のせいで」
「未来さんのせいじゃありません。私が勝手に、ふたりが付き合ってるって思ってただけですから」
「でも、泣かせちゃったのは事実だもん。ホントにごめんね」
「いえ、もう大丈夫です。ちゃんと本当のことがわかったから」
私の笑顔に、未来さんの顔にも笑顔が戻った。
「でも康太郎さんもひどいなあ。私に彼氏がいること琴乃ちゃんに話してくれてたら、こんな誤解を生むことなかったかもしれないのに」
未来さんの言葉に、思わず口の中のサラダを吹き出しそうになる。
「ええっ!? 康太郎さん、宗介さんのこと知ってるんですか?」
「うん。航の親友だっていうことももちろん知ってるわよ」
開いた口がふさがらない。
「だから私に『仲がいいだけだよ、あのふたりは』みたいなこといつも言ってたんですね……」
「そこまで言ってるのに、肝心なこと説明してくれてないの? あの人」
「はい」
「うっわー、あの人絶対心の中で笑ってるに違いないわ」
「……私、頭の中で康太郎さんがいつもの余裕の笑みで『ほらね』って笑うのが想像できました」
「ふふ」
「あははは」
私の言葉に未来さんは小さくかぶりを振った。
「まだわかんない。メールも入れてるんだけど、返信もないし。宗介の会社のほうも、まだ連絡が取れてないらしくて……。ま、仕事上危険な場所にも行くことがあるのはわかってたから、覚悟はして送り出してはいるんだけどね」
「そんな……」
「それで、ある程度できることはやって、家まで送ってくれてね。そこで初めて私、航に聞いたの。『どうして今日、会社にいたの?』って。そしたら気まずそうに目を逸らすからさ、これは絶対何か隠してるなって思って、無理矢理聞き出したのよ。そしたら『桐原と約束してた』って言うから、もう私どうしようって思って」
未来さんはそこで言葉を区切ると、手に持っていた缶チューハイをゴクリと飲んだ。
「メール入れても琴乃ちゃんから返事ないし、何か誤解してたらいけないと思って、康太郎さんに頼んで琴乃ちゃん引き留めておいてもらったの」
「そうだったんですか……」
「康太郎さんから聞いた。朝来た時に、目が腫れてたって。ごめんね、私のせいで」
「未来さんのせいじゃありません。私が勝手に、ふたりが付き合ってるって思ってただけですから」
「でも、泣かせちゃったのは事実だもん。ホントにごめんね」
「いえ、もう大丈夫です。ちゃんと本当のことがわかったから」
私の笑顔に、未来さんの顔にも笑顔が戻った。
「でも康太郎さんもひどいなあ。私に彼氏がいること琴乃ちゃんに話してくれてたら、こんな誤解を生むことなかったかもしれないのに」
未来さんの言葉に、思わず口の中のサラダを吹き出しそうになる。
「ええっ!? 康太郎さん、宗介さんのこと知ってるんですか?」
「うん。航の親友だっていうことももちろん知ってるわよ」
開いた口がふさがらない。
「だから私に『仲がいいだけだよ、あのふたりは』みたいなこといつも言ってたんですね……」
「そこまで言ってるのに、肝心なこと説明してくれてないの? あの人」
「はい」
「うっわー、あの人絶対心の中で笑ってるに違いないわ」
「……私、頭の中で康太郎さんがいつもの余裕の笑みで『ほらね』って笑うのが想像できました」
「ふふ」
「あははは」