イジワル副社長に拾われました。
彼の親友
突然帰ってきた未来さんの彼氏の宗介さんは、何事もなかったかのように未来さんの頭を撫でて、ドサッと直接床に腰を下ろした。
そして、私の顔を見てしばらく考えた後、目を見開き笑顔になった。
「君、琴乃ちゃんでしょ? シロが拾ってきたっていう女の子」
「は、はぁ……」
「初めましてー。オレ、黒岩宗介です」
「は、はい、初めまして……」
「って何勝手にくつろいでるのよ~っ!!」
そこへ、我に返った未来さんからの盛大なツッコミが入る。
頭をパコン、と叩いただけでは気がすまなかった未来さんは、宗介さんのお腹にもどんどんパンチを入れていく。
「痛いって、未来」
「なんなのよ。人が心配してたっていうのに、何も言わずにノコノコ帰ってきて!」
「あの地震でネットもつながらなくてさ。とにかく顔見せたほうが安心するかなと思って、向こうの仕事急いで片づけて、日本に連絡することなく飛行機飛び乗ったんだよ。ごめんな、心配かけて」
「……っ、ごめんで済んだら警察なんていらないの……っ」
ポコポコ、と勢いのよかったパンチの音がどんどん小さくなっていく。
止まった未来さんの手を握った宗介さんは、下を向いている未来さんの顔をのぞきこむようにして微笑んだ。
「未来の顔がもう一回見れて、よかった」
「……青山のレストラン、今度連れてって。もちろん宗介のおごりね」
「うちのお姫さまは素直じゃないなあ。ね、琴乃ちゃん?」
ニカっと笑った宗介さんのお腹に、再び未来さんのパンチが炸裂した。
「とにかく先にお風呂入ってきたら」
未来さんの言葉に宗介さんが素直に従って、浴室へと向かった。
その後ろ姿を見つめる未来さんは、本当にホッとした顔をしている。
「よかったですね、宗介さん、無事に帰ってきて」
「そうね。でももう少し心配させたことを申し訳なく思って帰ってこれなかったのかしら」
「未来さんの話聞いてると、それが宗介さんって感じしますけどね」
「そうなのよねぇ。あれが宗介だから、仕方ないわよね」
文句を言っている未来さんの口は、ちょっとだけ口角が上がっていて、本当は宗介さんが戻ってきてとってもうれしい気持ちが見えていた。
せっかく帰ってきたんだから、今日はふたりで過ごしたいよね。
きっと、積もる話もあるんじゃないのかな。
そして、私の顔を見てしばらく考えた後、目を見開き笑顔になった。
「君、琴乃ちゃんでしょ? シロが拾ってきたっていう女の子」
「は、はぁ……」
「初めましてー。オレ、黒岩宗介です」
「は、はい、初めまして……」
「って何勝手にくつろいでるのよ~っ!!」
そこへ、我に返った未来さんからの盛大なツッコミが入る。
頭をパコン、と叩いただけでは気がすまなかった未来さんは、宗介さんのお腹にもどんどんパンチを入れていく。
「痛いって、未来」
「なんなのよ。人が心配してたっていうのに、何も言わずにノコノコ帰ってきて!」
「あの地震でネットもつながらなくてさ。とにかく顔見せたほうが安心するかなと思って、向こうの仕事急いで片づけて、日本に連絡することなく飛行機飛び乗ったんだよ。ごめんな、心配かけて」
「……っ、ごめんで済んだら警察なんていらないの……っ」
ポコポコ、と勢いのよかったパンチの音がどんどん小さくなっていく。
止まった未来さんの手を握った宗介さんは、下を向いている未来さんの顔をのぞきこむようにして微笑んだ。
「未来の顔がもう一回見れて、よかった」
「……青山のレストラン、今度連れてって。もちろん宗介のおごりね」
「うちのお姫さまは素直じゃないなあ。ね、琴乃ちゃん?」
ニカっと笑った宗介さんのお腹に、再び未来さんのパンチが炸裂した。
「とにかく先にお風呂入ってきたら」
未来さんの言葉に宗介さんが素直に従って、浴室へと向かった。
その後ろ姿を見つめる未来さんは、本当にホッとした顔をしている。
「よかったですね、宗介さん、無事に帰ってきて」
「そうね。でももう少し心配させたことを申し訳なく思って帰ってこれなかったのかしら」
「未来さんの話聞いてると、それが宗介さんって感じしますけどね」
「そうなのよねぇ。あれが宗介だから、仕方ないわよね」
文句を言っている未来さんの口は、ちょっとだけ口角が上がっていて、本当は宗介さんが戻ってきてとってもうれしい気持ちが見えていた。
せっかく帰ってきたんだから、今日はふたりで過ごしたいよね。
きっと、積もる話もあるんじゃないのかな。