「君」がいるから【Ansyalシリーズ ファンside】
「託実は陸上部のエースで学生時代は、
ずっと陸上一筋だったんだよ。
そんな託実が大会前に練習中に怪我をしてね……、
あの子はその後、音楽に目覚めたんだよ。
託実を音楽の道に進ませたのは、SHADEって言うバンドのギターリストである怜【りょう】とTaka。
そして、負けず嫌いの託実を刺激したのは、今はIshimaelってバンドのベーシストをしている羚【れい】の存在なんだよ。
里桜奈ちゃん誰だって出会いの始まりはある。
託実やTakaたちだって最初から今みたいに演奏できたわけじゃない。
だから構えなくていいよ。
力を抜いて、全部吸収するぞって言うそんな勢いで踏み出していけばいいよ。
そしたら里桜奈ちゃんのパートナーになってくれる相棒はおのずと見える来るよ」
なんて懐かしそうに教えてくれた。
その日、遅くなってしまった私は裕先生に車で寮まで送り届けてもらった。
ドキドキの時間は衝撃の時間で、
その日、裕先生が話してくれた昔の託実さんたちの話を紗雪に話しながら盛り上がった。
皆、最初から出来たわけじゃないんだ。
踏み出す一歩がきっかけになってゆっくりと広がっていく世界。
新しい世界は自分で掴みとる、
そんな世界だから。
そうやって教えてくれたから、
私もこの手で掴みとりたいって思った。
ただ思うだけじゃなくて、
自分で行動に繋げていきたい。
それがどう言う行動に繋がっていくのはまだ未知の世界だけど、
私の隣には紗雪たちが一緒に居るから、
だから今は自分を信じて、新しい扉を開いていきたい。
そんな風に思えた。