「君」がいるから【Ansyalシリーズ ファンside】
「まっ、そんな感じで自分にあったギターがあるはずってことだよ」
いろんな意味で初体験を出来たその日、
私は……結局、先立つものも足りなくて自分の相棒は連れて帰れないまま、
寮へと戻った。
その翌日、また楓我さんに逢いに病院へと向かう。
病室を覗くと楓我さんの相棒らしきハードケースのギターが
ベッドサイドに立てかけられていた。
病院の中だから実際に音を出すことは出来なかったけど、
朝日奈さんが持ってるのと同じようなギターをベッドの上で構えると、
私に、コードの押さえ方とか、じっくりと教えてくれた。
ギターに少しずつ惹かれて行く
そんな時間が、ゆっくりと始まっていった。