イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
日菜はびくりと飛び上がって、不安げな表情を浮かべた。


ふん、この1時間暁兄についてもらって練習していたみたいだけれど、どこまでやれるんだか。


足立さんは日菜を見るなり「ほお!」とヘンな声を上げて近づいた。




「新人さんかい?可愛いねぇえ。
ほんとここのお店はメニューだけじゃなくて店員さんも一級ぞろいだなぁ!
お名前は?」


「た、立花日菜です…」


「日菜ちゃん!うーん名前にぴったりだなぁ」


「まだ数週間前に入った新人なんですけれど、よろしくお願いします」


「よ、よろしくお願いしますっ」




暁さんがフォローに入ってくれたのに背中を押されて、日菜はぺこりと頭を下げた。




「わ、あの子めちゃくちゃかわいくね?」


「うん、素人?芸能人とかじゃないの?」




と、後ろの方で、若いスタッフたちが囁き合ってるのが聞こえた。
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