イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「お疲れさました、足立さん」
「おぉそういえば君もいたね、晴友くん。
いやぁ、このお店はいつも美人ぞろいで紹介しごたえがあるよー」
と、ニヤニヤ笑うと俺に耳打ちした。
「今日のオンエアされたら、しばらく大忙しになると思うよー?
日菜ちゃん、あの見かけだしあのトークテクだし、今度は男性客も増えちゃうかも!いやーますます商売繁盛だね」
「あたす」
ち。
日菜が口達者なのは俺のケーキの話している時だけだっての。
「すんません、もうそろそろ客入れたいんで」
「あーはいはい撤収するね。じゃ、オンエアは多分今週末あたりだと思うから、祥子さんにも伝えといてね」
と言うと、足立さんたちはさっさと機材を片付けて出て行ってしまった。
開店時間をいつもと変更しているのに、店の入口では開店待ちの客が数名待っていた。
「ほら日菜、いつまでも浮かれてないで、さっさと仕事始めるぞ」
「あ、はい…!」
すっかり解放感にひたって暁兄と談笑している日菜を叱咤すると、俺は店の看板を「OPEN」に変えた。
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