イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


「お疲れさました、足立さん」


「おぉそういえば君もいたね、晴友くん。
いやぁ、このお店はいつも美人ぞろいで紹介しごたえがあるよー」




と、ニヤニヤ笑うと俺に耳打ちした。




「今日のオンエアされたら、しばらく大忙しになると思うよー?
日菜ちゃん、あの見かけだしあのトークテクだし、今度は男性客も増えちゃうかも!いやーますます商売繁盛だね」


「あたす」




ち。
日菜が口達者なのは俺のケーキの話している時だけだっての。




「すんません、もうそろそろ客入れたいんで」


「あーはいはい撤収するね。じゃ、オンエアは多分今週末あたりだと思うから、祥子さんにも伝えといてね」




と言うと、足立さんたちはさっさと機材を片付けて出て行ってしまった。




開店時間をいつもと変更しているのに、店の入口では開店待ちの客が数名待っていた。




「ほら日菜、いつまでも浮かれてないで、さっさと仕事始めるぞ」


「あ、はい…!」




すっかり解放感にひたって暁兄と談笑している日菜を叱咤すると、俺は店の看板を「OPEN」に変えた。








< 117 / 257 >

この作品をシェア

pagetop