イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「だいじょーぶ日菜ちゃーん?
疲れてない??」
晴友くんの微笑をぼーっと思い出していたら、拓弥くんが声を掛けてくれた。
「なんか顔が赤いよ?」
「へ!?そ、そう?」
「ホールをクルクル回って注文うけまくってるから、頭がいっぱいいっぱいになってるんじゃない??
ったく、あの客たち日菜ちゃんにしか話しかけないんだもんなぁ。露骨すぎ」
「失礼ねっ。私にも注文してくるわよっ」
そこにホールから戻って来た美南ちゃんが割り込んできた。
「もー今日はすーっごいことになってるわねぇ。ここまでとは予想以上だわ。
あのオンエア、わたしも見たけどすっごくいい出来だったもんね。びっくりしちゃった、あれアドリブだったんでしょ?あんなにスラスラ紹介できるなんて、すごいよ日菜ちゃん」
「う、ううん…!ここのスイーツのことだったからだよ。それ以外のことであんな風にしゃべれ、って言われても絶対無理だから…」
「ふふふ、謙遜しないしない!
はぁ、それにしても多いよねぇ、男の客。なんかむさ苦しくて、いつもの落ち着いた店の雰囲気が台無し、ってカンジ」