イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


と美南ちゃんらしいキツい言葉の通り、今日は本当に男のお客さまが多い。

しかもカップルが多いのに、ふたり連れとかひとりで来ている人が多いのも、いつもとはちがう特徴だ。



なんて見回していたら、


ん、なんか男のお客さんたちが、こちらをチラチラ見てくる。


あ、あれ、スマホ向けられてる…カメラ…??




「あーもうウザいなぁ、さっきから隠し撮りとか!あたしなんかさっき脚撮られてたんだよ?気持ちワルイっての!」


「マジかよ?美南の大根脚なんか撮ってなにがいいん、ぐはっ」


「今日ばっかりは自分がチヤホヤされないから妬いてるのかなぁ、拓弥ぃ」


「美南、てめっ、客がいる前で殴るのやめろっ。
…って、実は俺もさっき『撮影は遠慮してくれ』って注意したんだけどな。全然聞いてねぇみたいだ」




と、美南ちゃんと拓弥くんが不愉快そうにしていたら、




「あれ、晴友くん…?」




が、スマホを向けていたお客さまの前に行って何か話し掛けた。


すこし言い合い、みたいな感じになって…最後にお客さまは立ち上がって出て行ってしまった…。
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