イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「あちゃー、一番キレてんのは晴友かぁ」
拓弥くんが苦笑いした。
美南ちゃんも溜息まじりに
「ま、と言っても自業自得ってやつよねー」
と、そっけない。
『自業自得』?
どういう意味だろう??
「ま、日菜ちゃんも気にしないでお仕事続けてねー。もし、何か困ったことがあったら、いつでもいいから晴友に言いなさーい」
「え、晴友くんに?…でも晴友くんだって忙しいんじゃ」
「気にしない気にしなーい。男のお客さんに話しかけられたら、会話の内容からぜーんぶ晴友に報告しちゃいなさいね」
「えええ?」
美南ちゃん、なんか面白がってない??
どう見たって、晴友くんは忙しそうなんだけれどなぁ。
男のお客さまが多いとはいえ、今日は常連の女のお客さまだっていらっしゃっている。
晴友くんはお客さまの感想が知りたいから、よく自分から話しかけに行く。
そうすると女のお客さまは、ぽうっとなってうれしそうに話を弾ませる。
その合間に配膳したりスイーツを用意したりするから大変なんだ。
…ほら、
今だって高校生の可愛い女の子たちが晴友くんに話しかけて…。