イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
前進あるのみっ…なんだけど…
晴友くんに好きな子がいたのは、すごいショック。
でも、あきらめるなんてできないなら、
前進あるのみ、だ…っ。
せっかくすこしは認められたんだもの。
アルバイトに入った頃と比べたら前進したよ。
だから、これからも前進できるっ。
へこたれたりなんか、しないぞっ。
今のわたしがしなきゃならないことは、一生懸命お仕事を覚えて、晴友くんにもっと認めてもらうこと。それだけだ。
「よし…!」
と、ぎゅっと手を握ったところで、
カラン
とドアが開いた。
お客さまだ!
「いらっしゃいませ、カフェ『リヴァ―ジ』へようこそ」
「来店したお客さまにはこのあいさつをしなさい」って祥子さんに言われている。
その時、女の子はふんわりとスカートを持ち上げて頭を下げる。
「何名様ですか?」
「2名様でーす」
と指を2本立てたお客さまは、大学生くらいの若いお兄さんたち。
髪の色や雰囲気が…ちょっと怖い感じだ…。