イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
この近くには海岸もあるから、よくこういうお客さまがいらっしゃるんだよな。

男の人はただでさえ苦手なわたし…。

前は美南ちゃんや拓弥くんが代わってくれたんだけど…今はふたりとも他の接客で忙しそうだ。


うう…。


緊張するけど…いつまでも人に頼っちゃいけないよね。




「どうぞお席にご案内します」



わたしはお兄さんたちをお席へご案内して、メニューの紹介などを始めたんだけど…。




「ねー、君さ、テレビに出てた子でしょ?」




わたしの説明を遮って、金髪のお兄さんが覗き込むように見上げてきた。




「ぇ、あ、はい…!」




急に質問されてびっくり。

恥ずかしいなぁ…。




「やーっぱりー。
うわー近くで見るとメチャクチャ可愛いなぁ」


「やっべー。ねー君歳いくつー?」


「え…じゅ、17です」


「女子コーセーかぁ。だよなー大学生には見えないよなぁ。残念だったなコージ」


「るっせぇよ」




コージと言われた金髪の男の人が、向かいの真っ黒に日焼けした男の人を蹴って、がしゃん、とテーブルが音をたてた。

周りの人がちょっと驚いたようにこっちを見た。
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