イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「…は?おまえ今なんつっ」
すっと頭を上げると、晴友くんは乱れた髪をかき上げてサイテ―男を見下ろした。
「んなことして楽しいのかよ。いい年してガキみたいなイジメすんじゃねぇよ、キモイんだよ」
「…んだと!?」
サイテ―男の手が晴友くんの胸蔵をつかんだ。
こぶしが降りあがる…!
あぶない…!殴られちゃう…!
と思ったのも束の間。
晴友くんの手が、振り被ってきた手をパシッとあっけなくつかんだ。
そして、あっという間にねじあげて逆に拘束してしまった!
「てぇっ!はなせよ!痛ぇって!!」
「コージっ!てめぇっ!」
横でニヤついていた男も手を伸ばす。
けれども、晴友くんはその手も片手であっさりとつかみ取ってしまう。
「おまえ、客に暴力振るうのか!?とんでもねぇクソ定員だな、ゴラぁ!!」
恥ずかしさを誤魔化すように罵声を浴びせる。
けれども。
「先に殴ろうとしたのはどこのどいつだ、ボケが」
こ、怖い…。