イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


「わ、見てみて、あそこにいる人すっごいかっこいい!」

「ほんと!男の子どっちもすごいイケメンね!」




スマホを見て首をかしげていると、先に玄関を出ていたみなさんが、急に興奮しだした。




「一緒にいる女の子もすっごい綺麗!モデルかなにかかなー?」


「えーでも見たことないよ?」


「制服は…多分、公立の方たちよ。えっと…N高校かしら?」




聞こえた名前にわたしははっとなった。

その学校は晴友くん拓弥くん美南ちゃんが通っている学校だ…。




「あのさ」




低い声がぶっきらぼうに話し掛けてきた。

聞き慣れたこの声、喋り方は…




「…ここに立花日菜がいるってきいたんだけど、知ってるか?」




晴友くん…!?




ど、どうしてここに?




「ひ、日菜さんならそこに…!」




と、話しかけられた子がわたしを指差すと、




「おい、日菜」


「は、はい!」




バイトの時と同じ命令口調が飛んできた。
< 154 / 257 >

この作品をシェア

pagetop