イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「わ、見てみて、あそこにいる人すっごいかっこいい!」
「ほんと!男の子どっちもすごいイケメンね!」
スマホを見て首をかしげていると、先に玄関を出ていたみなさんが、急に興奮しだした。
「一緒にいる女の子もすっごい綺麗!モデルかなにかかなー?」
「えーでも見たことないよ?」
「制服は…多分、公立の方たちよ。えっと…N高校かしら?」
聞こえた名前にわたしははっとなった。
その学校は晴友くん拓弥くん美南ちゃんが通っている学校だ…。
「あのさ」
低い声がぶっきらぼうに話し掛けてきた。
聞き慣れたこの声、喋り方は…
「…ここに立花日菜がいるってきいたんだけど、知ってるか?」
晴友くん…!?
ど、どうしてここに?
「ひ、日菜さんならそこに…!」
と、話しかけられた子がわたしを指差すと、
「おい、日菜」
「は、はい!」
バイトの時と同じ命令口調が飛んできた。