イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
晴友くんは他の女生徒から向けられる興味津々のまなざしをわずらわしそうにしながら続けた。




「姉貴からも連絡あったと思うけど、今日は『別の仕事』入っただろ」


「あ、はい…」


「付き合え」




ええ…!

付き合うってどこへ??




まわりのみんなも、顔を赤らめて顔を見合わせている。

さっきのクラスメートが、駆け寄ってきた。




「日菜さんどういうこと?このカッコいい人誰??」


「わかった!日菜さんのアルバイト先の店員さんでしょ!」


「えーズルイ!こんなかっこいい人と一緒に働いてるなんてーっ」


「紹介して!」




と囲まれていたら、つかつかと晴友くんがやってきて、




「さっさと来い」


「あ…!」




わたしの手をつかんで、クラスメートたちの壁から連れ出した。


その強引さは、昨日の抱き締められた時に似ていて…ドキドキと胸が高鳴る。




「…ま、待って晴友くん…どこに行くの??」


「どこって決まってるだろ。仕事だよ」




どうにかみなさんにお別れのあいさつをすると、わけがわからないまま、わたしは晴友くんに連れて行かれた。









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