イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「日菜ちゃん!おつー」


「おかえりー日菜ちゃん」




校門まで行くと、拓弥くんや美南ちゃんまで来ていた。




「みんな…どうしたの?」




びっくりするわたしに美南ちゃんがにっこり笑って答えた。




「ほら、お店もうすぐ開店5周年記念近いでしょ?その準備のために祥子さんにいろいろ用足したのまれたのよ」


「用足し?」


「そそ。わたしは記念日イベントに着る特別衣装の引取と、晴友は限定ケーキの材料探し。そして拓弥は荷物持ち等々で」


「荷物持ち等々ってなんだよ」


「だって、拓弥ができることったら、それくらいじゃない」


「なんだと!?」




いがみ合ってる二人には聞けないので、おずおずと晴友くんを見上げた。




「わたしはなにをすればいいの…?」


「…さぁ」




そっけなく答えた晴友くんだけど、考えるように間をおいて付け足した。




「…そうだな、おまえも荷物持ちかな」




荷物持ち…。

あんまりたくさんは持てないけどがんばらなきゃ。


…それにしても。


四人でお買い物なんて初めてだな。

なんだかうれしい…。
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