イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


思わず大きな声を出してしまった。

グズグズ仕事しているところなんて見せられないよ。

もしわたしが失敗なんかしたら、店の教育が悪いとか、システムが悪いとか言って、逆に文句を言うに決まっているもの…!




「その話はおうちに帰ってからね…!」


『まて、日菜まだ話は…!』


「じゃあね!」




通話を切ると、美南ちゃんが心配そうに訊いてきた。




「大丈夫?おうちの人?」


「う、うん!ごめんね。もう終わったから!」


「ほんと?」


「うん!大丈夫だよ!」


「そう?じゃあ行こうか」




お兄ちゃんは言い出したら聞かない人…。
不安は残るけど、今はお買い物を楽しもう。


四人揃っての買物なんて初めてだし、晴友くんと買い物なんて…なんかデートみたい…?


なんて思うと、不安な心も少し晴れる気がした。







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