イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
衣装は祥子さんが先にオーダーしていたから、それを取りに行くだけだった。

あとこまごました物を買って、買い物は終わった。




「やーっと終わったかぁー」




荷物持ちをしていた拓弥くんが、ベンチにどかりと座った。

同じように晴友くんも不機嫌そうに拓弥くんの横にかける。




「ったく、無限に買い続けるかと思ったぜー!買い過ぎなんだよ」


「なに言ってるのよ!これはわたしたちだけじゃなくて、あんたたちの衣装の分も入ってるのよ!あと、イベントに使う細かい備品とか材料とかいろいろいろ…忙しい祥子さんに代わって、わたしが揃えてるんじゃない。本来は弟の晴友がやるべきなのにぃ」


「俺はケーキ専門だ」


「ほら、そういう態度だから私が苦労するのよ、ってあーっ!!」




突然、美南ちゃんが大声をあげた。




「なんだよ、るせぇな…」


「いけない!肝心なもの買い忘れちゃった!ちょっと付き合って、拓弥っ」


「はーぁつ?なんだよ、って、おい…!」




美南ちゃんしっかりしているのに珍しいな。

って思っているうちに、二人はあっという間にいなくなってしまった。

そしてわたしと晴友くんが、残されたっきりになってしまった。
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