イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「ところで…美南ちゃんたち遅いね。
すぐそこのお店に行ったのに、まだかかってるのかな?」
「レジが混んでるんだろ」
でも、もう20分は経っている。
とそこで、チャラン、とラインが鳴った。
『ごめーん、急用思い出したから、別の出口から出て地下鉄乗っちゃった!買い物はこれで終わったから、後はふたりで自由にしていいよ!』
え…?
晴友くんも同じようにあんぐりしている。
「まっじありえね、あのバカども…余計なことを…」
余計な?
怪訝に思ったところで、晴友くんが勢いよく立ち上がった。
「帰るぞ」って言うのかな?
もわっ、と胸がうずく。
ごめんね、美南ちゃん拓弥くん。わたし、正直「やった!」って思っちゃった。
だって晴友くんとふたりっきりになれたんだもん。
けど、晴友くんはこのあとお仕事だし、もう帰りたいかな…。
「…日菜」
「は、はい?」
「おまえこの後空いてるか?家には大丈夫か?」
「あ、うん大丈夫。今日はアルバイトあるって言ってあったし」
「そっか。
…じゃあ、これからなんか食いに行く?」