イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
え…!?
思いがけない誘いに胸が高鳴った。
「え、だって…晴友くんこの後もお仕事でしょ?疲れてない…?」
晴友くんは、わたしを見ずにぶっきらぼうに続けた。
「いいよ別に。どっちにしろ食ってから行こうと思ってたし。
…って、べ、別に嫌ならいいけど…!美南も拓弥もいないし、俺といても面白くないかもしれねぇけど」
「そんなことないよ!!」
…しまった。
ついうれしくて叫ぶように言ってしまった。
そしたら、晴友くんの方がもっとヘンな反応をした。
顔を真っ赤にして、怒ったようにそっぽを向いてしまった。
「…じゃあ早く、ついてこいよ」
そしてそのまま歩き始めてしまった。
スタスタと人混みにまぎれこんでいく高い背を、わたしはあわてて追いかけた。
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