イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


「素敵だけど…よかったら、別なところにしない?」


「嫌か?おまえ、好きそうだけど?
俺もあの店のケーキが好きなんだ。たぶん世界で一番」


「そ、そうなの??」


「ああ。特に二代目のケーキがサイコ―にカッコいいじゃねぇか。
漆黒のチョコレートコーティングや、ブラックチェリーの赤さとか、ホワイトチョコレートの混じりけない白さとか、余計にデコらないで媚びない感じが。
それでいて食べたら風味は多彩で…『味の万華鏡』って言われてるんだ。ほんとカッコいいよなー」


「……」


「その二代目がさ、まだ二十代なんだけどコンクールでも何度も優勝するし、経営でも手腕発揮してすげぇんだよな。ホント憧れだよ」




あ、いけね…。
つい二代目のことになるとテンション上がって語りまくってしまった…。恥ずかし。


けど、何故か日菜は自分が褒められたかのように頬を染めてうつむいていた。

「ありがとう…」って言った気がしたけれど、気のせいか…?
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