イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
最低最悪の日
お兄ちゃんはやっぱり気になったみたいで、わたしとの電話を切った後にリヴァージに行ったそうだ。
そこでわたしがホールに入っていないのを見て、『ラ・マシェリ』に行ってないかと訊いたら、『先ほどに似た子を店外で見た』と聞き…そして駅でわたしたちを見つけた次第…。
「日菜、あいつとはいったいどういう関係なんだ。お兄ちゃんに嘘をつくような相手なのか」
「そ、そんなわけじゃ」
「じゃあどういうわけなんだ」
やさしいけど過保護すぎるのが困ってしまう…。
高校生になっても干渉は増すばかりで、さすがにつらく感じることが多くなっていた。
『高校生になったのにそんな頼りない子に見えるの?』って悲しくて苦しくて…家に帰るのが嫌で悩んでいた時、リヴァ―ジを知って晴友くんのケーキに出会った…。
わたしだって、いろいろがんばっているよ…。
好きな人にだって振り向いてもらいたくて、一生懸命なのに…。
「もうあのバイトはやめなさい」
「え…」
「日菜のことは、お兄ちゃんが面倒みてあげるからいいだろう?
あんなヤツと一緒にいさせるわけには」
「わ、わたしはもう、子供じゃないよっ」