イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
近くて遠い...
晴友くんが行くとしたら、近くにある大型スーパーだ。
もうお店に着いちゃったかな…と、昼間の熱さが残る海岸沿いの通りを走った。
しばらくすると、アスファルトから発せられる陽炎の中で、男の子と女の子が立っているのが見えた。
どちらもすらりと背の高いふたりは、
晴友くんとカンナさんだった。
わたしはとっさに建物の陰に身を隠した。
ふたりで会っているところなんて見たくなかった。
でも、なにを話しているのか気になって…。
良くないとわかっていても、わたしは息を殺して耳をそばだてた。
声は聞こえなかった。
けど雰囲気でわかる。なにか真剣な話をしているみたいだ…。
次の瞬間、わたしは信じられない光景を目にした。
カンナさんが晴友くんに抱きついて、
キスをしたーーー。