イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


晴友くんの右手が、支えるようにその腰に手を当てた…。

もたれかかるように、晴友くんの首に手を回すカンナさん。




チラリ




その時、カンナさんがこちらを見た。



わたしを、見たーーー。




優越的にも挑戦的にも見えるきれいな形の目が細められるのを見た瞬間、わたしは思わず視線そらしてしまった。

とたんに体中が熱くなった。


カンナさんは知っている。

わたしの気持ちを。



そして、わたしは認めてしまった。



カンナさんにはかなわない…って…。



とっさにわたしは走り出していた。



文字通り、逃げ出していたーーー。











晴友くんは、しばらくして戻って来た。

何食わぬ顔で、なんにもなかったみたいに。
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