イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
カンナさんを抱きとめた晴友くん…。
売れっ子の芸能人であることを考えて平静を装っているのかな。
それとも、動じる必要もないほどに、ふたりの関係は当たり前のことなのかな…。
「日菜」
「え、っあ、はい!」
思いがけず話しかけれて飛び上がった。
晴友くんがまっすぐにわたしを見下ろしていた。
「悪かったな。カンナが…イヤな態度とって」
「え…」
「アイツのこと、気にするなよ」
思いかけないことばに、わたしはまじまじと晴友くんを見上げた。
気にする?
なにを?
カンナさんと晴友くんがキスを交わすくらいに想い合っていること…?
「う、うん、大丈夫。芸能人さんだもんね、いろいろ大変なことはあるよね。きっとみんなに会いたかったんだよね…」
にっこりわらった。
一生懸命の作り笑い。