イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
その際、みんなは浴衣をモチーフにした仮装で接客することになっていて、

『ネコ耳カフェ』をコンセプトに、

わたしは裾がミニになった黄色の浴衣に、黒のネコ耳。

美南ちゃんが同じデザインでピンクの浴衣に、白ネコ耳だ。


そして、『店の方針はどこに向かってんの?』と批判する男の子たちにも、問答無用でネコ耳装着。

拓弥くんは、鳶色の浴衣&三毛ネコ。

そして晴友くんは、紺色の浴衣&黒トラネコ。

と言っても…ノリノリの拓弥くんに対して、不機嫌Maxの晴友くんは、もうネコって言うより黒ヒョウみたいだけど…。



けれども常連さんだけでなくフェスタ目的のお客さんからも大好評で、開始前からすでに行列。


調理担当の暁さんも、女の人に話しかけらながらクレープを作って作って作って…たまにお写真をパシャリ撮られ。

晴友くんも拓弥くんも同じように女の子に囲まれて、その間を縫うように颯爽と配膳し回っている姿は、なんだかダンスしているアイドルみたいだ…。


美南ちゃんは男の人にメモ紙(たまにスーツの人から名刺)を渡され、その裏にオーダーをメモ…。

わたしはと言えば、なぜだか老若男女さまざまなお客さまから話しかけられたり、写真を撮られたりして何が何やら…。


誰もかれもが大忙し。

文字通り砂浜を駆け回っていた。


ホントにもう…それこそネコの手も借りたいよ…。



なんて思ってたら、ほんとに現れたんだ。

ネコちゃんが。
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