イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
そこへ突然、男のお客さま数人が、カンナさんを指差し近づいてきた。
「カンナちゃんにこんなところで会えるなんてー!」
気づかれた…!?
「やば」とつぶやき、カンナさんはお客さまの中に戻ろうとした。
けど男の人たちは駆け寄って、カンナさんを囲んでしまう…!
「ねーもしかして、愛本カンナちゃん?」
カンナちゃんはポカンとした表情を浮かべて、返答に詰まっているフリをする。
「ちがいます」なんて即答してもかえってうさんくさいもんね。
さすが、こういう場面に慣れているのかな。
って思っても、男の人たちは全然引き下がる様子を見せない。
なんだかニヤニヤして、怖い。
まわりのお客さまも怪訝そうな顔をして見てくる。
カンナさん…。
これってすごく不味い状況…だよね…。