イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で

完全に混乱しているわたしに気づかず、カンナさんは辺りを見回した。




「どうやらあいつらはどこかに行ったみたいね。いこっか」




と立ち上がった、その時だった。




「よし、引っかかった!いたぞ!!」




男の人の声がした!

振り向くと、どこかに行っていたとばかり思っていた男の人たちが姿を現した。

こっちが動くのを見張っていたんだ…!


わたしたちは走った。


けど。

人混みを避けて、とっさに海の家や倉庫が立ち並ぶ通りの裏を走ったのが不味かった。


あっという間に追いつかれてしまったのは、大声を出しても聞こえなさそうな人気のない所だった…。








< 223 / 257 >

この作品をシェア

pagetop