イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「てっきりここで姉貴の手伝いさせられてると思ってたけど?」
と、返すと姉貴の表情が曇った。
「一度も戻って来てないわよ?美南ちゃんと一緒かと思ったけど」
「…いえ、思った以上に忙しくて、実はついてあげられなかったの。それに日菜ちゃんがすごく張り切って『一人でも大丈夫』って言うから…。拓弥は?」
「俺もそんな感じ…。暁兄はどうなんだよ?日菜ちゃん配膳してただろ?」
「途中まではよく取りに来てたけど…考えてみたら途中からばったり来なくなってたな…。悪い、俺も余裕がなくて…」
暁兄まで…なんだよ…頼りねぇな…。
って思っても、俺だった似たようなもんだった。
みんな有り得ない忙しさに他に目を配る余裕がなかった。
なんだよ…。
日菜のヤツ、どこでサボってんだよ。もうとっくに販売は終わっちまったぞ…。