イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「手分けして二人を捜そう!」
「でも、この人ごみのなかで闇雲に捜すのは無謀よ?」
「じゃあどうすれば…!」
拓弥と美南が交わす中で、ふと俺の頭に案が閃いた。
「ツイッターを開け。『愛本カンナ』で検索したら、目撃ツイートが出てこないか?」
はっ、となり四人で一斉にスマホを開いた。
「…出た!
…なんだこれ…ヤバそうだぞ」
拓弥の言う通り、ツイートの内容は予想外に深刻だった。
『〇〇ベイエリアで愛本カンナ見た。変装してたけど多分本人ww』
『なんか逃げてたくさい?まさかのパパラッチ?一緒に女の子もいた。事務所の子かな』
『謎の美少女と逃避行。まさかのレズ疑惑ww』
俺たちの間に緊張が走った。
逃げてた、だと…?
日菜…!
俺はスマホをつかんで駆けだした。
暁兄の指示で、手分けして日菜とカンナの捜索が始まった。