イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「やめてっ!その子は関係ないでしょ!巻き込まないでっ…!」
叫んだカンナさんの声は泣きそうに震えていた。
男は問答無用でわたしの髪を掴んだまま、カンナさんを捕える男に言った。
「思わぬ邪魔だったけれどまぁいい。こいつも連れてっちまおうぜ。…よく見りゃ、かなり可愛いじゃねぇか」
「ああそうだな」
男たちがわたしたちを連れて歩きだす。
向かうのは、もっと人気のない倉庫の中…。
カンナさんと一緒に精一杯暴れたけれど、びくともしない。
恐怖が急速に大きくなっていく。
暴れ疲れて、抵抗する気力すら次第に失われていく…。
どうしよう…どうしよう…
…助けて
誰か助けて…
晴友くん…!
その時だった。
「てめぇら、何してるっ!!」
聞き覚えのある声が聞こえた。