イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で



リヴァ―ジではカンナさんの事務所の人が待っていて、戻るなりかなりきついお叱りの言葉をカンナさんに与えた。


さすがのカンナさんも謝る一方で落ち込んでいたけれど、最後は許してもらっていた。やっぱり、カンナさんは前途有望な芸能人なんだろう。




「…みんな、今日は本当にごめんね」




帰り際、カンナさんはリヴァ―ジのみんなに元気のない様子で頭を下げた。

祥子さんも暁さんも拓弥くんも美南ちゃんも、そんなカンナさんに笑顔で励まして、

そして、


『いつでも遊びにおいで』


と言葉を贈った。


カンナさんはちょっと泣きそうになりがら、「今度はお客さんとして来るね」と笑った。



そして、晴友くんも…。




「今度来る時まで、低カロリーのケーキ、考えといてやる」


「…ふふ。ほんとかなぁ?200キロカロリー以下には抑えてよね?」


「200キロか…。野菜ベースならできるかもな」


「私が野菜嫌いって知ってるでしょ!
…でも、ありがとう。楽しみにしてる」


「ああ。
…おまえには、負けないからな」




ほんの短い間、微笑み合い、カンナさんは店から出ようとした。

けど、みんなからちょっと離れていたわたしを見ると、駆け寄って耳に口を近づけてきた。
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