イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「日菜ちゃん」
「は、はい…」
「このまま、晴友に告らないつもり?」
「え…!?」
だって、晴友くんはカンナさんのこと…。
「まだ勘ちがいしてるの!?
…まったく…こっちはこの前と今日と2回も拒絶されたってのに」
え…勘ちがい…?
2回…?
きょとんとしているわたしに、カンナさんは呆れたように溜息をつきながらも、にっこりと笑った。
「日菜ちゃんならできるでしょ?」
「……」
「ガンバれっ。
絶対に、大丈夫だから」
カンナさんを乗せて、事務所の車はあっという間に走り去ってしまった。
急に現れて、あっという間にいなくなっちゃったな。
まるで嵐が訪れたみたい。
なんて
一息ついている余裕は、わたしにはなかった。
この後、みんなに大事なことを伝えなければならないから。