イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「よし、じゃあこれからみんなで打ち上げでもしようか!」
「いいね!」
「賛成!!」
と、暁さんの提案に拓弥くん美南ちゃんが賛同したところで、今度は別の車が店の前に停まった。
黒のBMW。
凌輔お兄ちゃんの車だ。
お兄ちゃんは車から降りると足早に店内に近づいてきた。
「残念だけれど、打ち上げする時間はないみたいね…」
それに気づいた祥子さんが、盛り上げるみんなとは対称的に静かに言った。
みんなが怪訝な顔をする中で、「お願いされていたから黙っていたんだけれど…」と祥子さんがわたしに視線を向けた。
わたしは、集まるみんなの視線がつらくて、下を向いたまま言った。
「…実はね、わたし、今日で終わりなの…」