イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


「日菜…?っおい…どこへ…!」




車に乗せられそうになったところで、お兄ちゃんの手から逃れた。


そして戻った。リヴァ―ジへ。


大好きなスイーツと大好きな人がいる、大好きな場所へ。



すると、店からも出てきた人が。




晴友…くん…!




わたしは歩みをやめ、やがて同じように止まった晴友くんと向かい合った。




「日菜」


「晴友くん…。最後に、どうしても伝えたいことがあるの…。

わたしは、ずっと、ずっと前から…」






「『好き』だ」






やっと言えた言葉。

それは、ふたりきれいに重なった。



なにが起こったのか理解できずにいると、


ぐいっ



と、急に引き寄せられて抱き締められた。




「好きだ」


「……」


「ずっと前から、ずっとずっと好きだった」


「……」




耳を疑った。

うそ…

うそ…。




どうしてわたしが伝えようと思っている言葉が、晴友くんの口から出てくるの…。
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