イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
素っ気ない返事だったけど、声のニュアンスはわたしのことを知っているような感じだった。
歳が近いだけじゃなくて、わたしのことも覚えていてくれていたなんて…!
うれしすぎる!
って、思わずへらっとなりながら、ぺこっと頭を下げると、榊くんは目をそらして眉間にしわを寄せた。
「また面接?」
「そう。いい加減、新しいスタッフを入れないとあんたたちホールもしんどいでしょ?」
「別に。不真面目なヤツ入れて足引っ張られるよりずっとまし」
不真面目…。
それって、さっき言われていた好きな人にばかり夢中って子のことかな…。
やっぱり、榊くんもそういう子を迷惑に思っているんだな…。
カラン。
そこへ、宅配業者の人がお店に入ってきた。