イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
いたる所から、美味しそうな匂いが漂ってくる。
「そういや腹減ったな。何か買って行くか?」
「うん…夕食まだだったしね…」
「どれも美味そう…お、海鮮焼パスタ?日菜、これ食」
「わたし、これ食べたい!」
と、興奮して指差したのは、
「わた飴?」
「だって、お祭りと言えば、わた飴でしょ?」
晴友くんは「そうか?」と言う顔をしたけれど、「ああー」とすぐに納得した。
「じゃあその次はリンゴ飴か?」
「そう!すごい、どうして解かったの?」
「そりゃ解かるっての」と苦笑すると、晴友くんはわた飴を買うのに付き合ってくれた。
そして、出店から少し離れた砂浜に行って、並んで腰をおろした。
花火がよく見える場所は先に人にとられていたけれど、ここなら代わりにゆっくりできる。
「いただきまーす」
腰を下ろすなり、割り箸にハートの形になって刺さっているわた飴にかぶりついた。
「うーん、ふんわりあまーい!」
「おまえ、おにぎりでもかぶりつくみたいに食うな」
「ええ、そう?」
がっついてたかな…?
今さら気にしても仕方ないけど…。
「は、晴友くんも、食べる?」
恥ずかし紛れに、わたしは晴友くんにわた飴を差し出した。
「いいのか?」
「ん」
「…じゃあ」
晴友くんの手が、わた飴を持つわたしの手を取った。
そして、繋いだままでいたもう片方の手も、ぎゅっと握られる。
「…!」
晴友くんのきれいな顔が近づいて唇を付けたのは、
わた飴じゃなくて
わたしの唇だった。
「そういや腹減ったな。何か買って行くか?」
「うん…夕食まだだったしね…」
「どれも美味そう…お、海鮮焼パスタ?日菜、これ食」
「わたし、これ食べたい!」
と、興奮して指差したのは、
「わた飴?」
「だって、お祭りと言えば、わた飴でしょ?」
晴友くんは「そうか?」と言う顔をしたけれど、「ああー」とすぐに納得した。
「じゃあその次はリンゴ飴か?」
「そう!すごい、どうして解かったの?」
「そりゃ解かるっての」と苦笑すると、晴友くんはわた飴を買うのに付き合ってくれた。
そして、出店から少し離れた砂浜に行って、並んで腰をおろした。
花火がよく見える場所は先に人にとられていたけれど、ここなら代わりにゆっくりできる。
「いただきまーす」
腰を下ろすなり、割り箸にハートの形になって刺さっているわた飴にかぶりついた。
「うーん、ふんわりあまーい!」
「おまえ、おにぎりでもかぶりつくみたいに食うな」
「ええ、そう?」
がっついてたかな…?
今さら気にしても仕方ないけど…。
「は、晴友くんも、食べる?」
恥ずかし紛れに、わたしは晴友くんにわた飴を差し出した。
「いいのか?」
「ん」
「…じゃあ」
晴友くんの手が、わた飴を持つわたしの手を取った。
そして、繋いだままでいたもう片方の手も、ぎゅっと握られる。
「…!」
晴友くんのきれいな顔が近づいて唇を付けたのは、
わた飴じゃなくて
わたしの唇だった。