イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
ちょっと気まり悪く思って、うつむきがちに見上げると、榊くんはすこし顔を赤くさせてそっぽを向いた。
と思ったら。
急にわたしを真っ直ぐに見つめた。
え…っ?
そして、ずいっと顔を近づけてきた…!
「てか、敬語なしでいんじゃね?タメなんだし」
わ、わわ、顔近いよ…。
かっこいいよ…!
「おまえさ、どうしてここでバイトしたいって思ったわけ?」
「え……っと」
まさか榊くんから志望動機を訊かれるなんて…!
不真面目なやつかどうか判断したいのかな…!?
榊くんはじっとわたしを見つめている。
真剣な目。
こんな目、お客として来た時もされたことなかったな。
それだけ、真面目にお仕事に取り組んでくれる仲間を必要としているってことなのかな。