イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「だいじょうぶ?今日も晴友にイヂめられてない?」




同じホールスタッフで先輩の、二科拓弥(にしなたくみ)くんだ。



拓弥くんもわたしや榊くんと同じ17歳。

榊くんに負けず劣らずきれいな顔をしていてスタイルもいいから、すっごい人気がある。

ハチミツ色の髪やくるくる回る表情が「ワンコみたいで可愛い!」って、年上の女のお客さまから特に評判がいい。




「う、うん、大丈夫だよっ。ちょっと疲れたから休ませてもらってるだけ」


「本当にぃ?晴友にまたきっつーいこと言われて落ち込んでいるかなって心配したんだけど。
何かあったらすぐに俺に言ってよね?しょーこさんに頼んで、すーぐに日菜ちゃんの指導係を俺に替えてもらうから!」


「う、うん…ありがとう、二科くん」


「だめだめ!俺のことは名前で呼んで、って言ったでしょ?」


「そ…そだったね…。えっと、た、拓弥くん…」
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