イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「やっぱり、四宮さんのワッフルは絶品ですね」
「ふふありがとう。日菜ちゃんにそう言ってもらえてうれしいよ。
ところで、俺のこと『四宮さん』なんて他人行儀に呼ぶことないよ?」
「え?」
「俺のことは『暁さん』って呼んで?それか『暁お兄ちゃん』でもいいよ」
「あ、はい、えっと…」
「あき…さん」っておずおず言うと、四宮…暁さんはすこし下がり気味の目尻を細めた。
「イジワルな晴友に負けないためにも、俺の愛情がこもったワッフルを食べてがんばってね」
「ちょ、おい暁兄!せっかく俺がパフェを作ってあげたのに邪魔するなよ!」
食って掛かる拓弥くんとの間に、わたしは慌てて割って入った。
「大丈夫ですっ。わたし、ふたつとも食べれちゃいますからっ。だって、どちらもここに入る前から大好きだったメニューなんですもん」
と、にっこり笑って見せると、
あれ…
暁さんも拓弥くんも、じっとわたしを見つめたまま顔を赤くしている…。どうしたんだろう?