イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
でも、わたしの心はどんより沈む。
また、榊くんに迷惑をかけてしまった…。
「おい、ぼけっとするなよ。さっきのラテアート、作り直したのか」
「え、あ…!」
でもシュンとしている暇はなかった。
お姉さんとの会話を切り上げ戻ったそうそう、榊くんがどやしてくる。
「す、すぐ作ります!」
「あーもういいよ、俺が作るから」
「で、でも…」
「さっきの、どう見てもクマじゃなくてブタじゃねぇか。あんなの出せねぇ」
「ちょっとどけ」と言いながら、榊くんがわたしのすぐそばに寄ってきた。
わ…っ。
ギャルソンスタイルのスラリとした身体が、触れるくらいの距離に来て思わず緊張する。