イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
しかたないよね…。
それはわたし自身のせい。
好き。
って伝えるのは、今はまだ到底無理。
だけどせめて、あなたのケーキも大好きだってことは、伝えたい。
それくらいは…こんなわたしでも、伝えてもいいよね…?。
わたしは大きく息をすると、覚悟するように息を吐いた。
「わたしね榊くんの作るケーキが本当に大好きだよ」
「…」
「このお店のスイーツはみーんな大好きだけど…。榊くんのケーキは特別。
ずっと、ずーっと大好きだったよ」
精一杯気持ちをこめて、笑顔をむける。
痛っ…!
急に頬をつねられた…!
「…の割には、パフェもワッフルもがっつり食ってるじゃねぇか。しっかり餌付けされてるんじゃねぇよ」
うう…痛いよぉお。
「…ったく、ホールにいればトロくて見てらんねぇし、かと思えば目をはなした隙にちょっかいかけられてるし」
ぐいっとさらにつねあげて榊くんは苛立たしげに続ける。
「いいか、あいつらにはつけこまれるなよ」
「はいつら…??」
拓弥くんと暁さんのこと?