イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
けど、そういうやつらと明らかにちがったのは、小さな身体に似合わず、何品ものデザートをぺろりとを平らげてしまうところだった。
その食いっぷりから『ファイターちゃん』なんて店の連中から愛称されてるのも面白くて。
気になってちょこちょこ話しかければ、おずおずと返してくれるようになった。
新作を紹介すると、いつも真っ先に注文してくれて、美味しいとほめてくれたり、時にはアドバイスをくれていい刺激を与えてくれたり…。
いつもおどおどして言葉は足りなかったけれど、その話しぶりから「いい子なんだな」って思って。
いつしか、「次はいつ来るんだろう」って思うようになった。
そうしたら、あいつからやって来てくれたんだ。
しかも、
一緒に働きたいって。
今思えばバカだった。
あいつの志望動機が、いかに自分が自惚れていたかということを嫌というほどわからせてくれた。