イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で

『あなたのケーキが好きなんです』





は?

俺じゃなくて、ケーキが目的??




ケーキをほめられてうれしいはずなのに、さすがにこの時だけはちがった。



この女…食い意地張り過ぎだろ…。


てか、とんだ勘ちがい…大恥かいた…。


ひとりで盛り上がって自惚れ発言するような間抜けをしなくてすんだけれど…鼻息荒くしてあいつに迫って、




すっげぇバカじゃねぇかっ…!!



その日から、あいつを見るたびにイライラした。

ムカムカするのと同時に、ちくりと胸が痛む。


なんなんだ。このわけのわからない感覚は。


ムカつく…。




きっと指導係なんてやっているから、あいつのグズさが腹立たせるんだ、と思った。


指導係なんてやめてやる、って何度思ったか。



でも、できなかった。
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