イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で

イジワルな企み



「ねぇ晴友―。お願いがあるんだけどー」




学校から戻ってホールに入ると、姉貴がキッチンから出てきた。




「なんだよ…」




この気持ち悪ぃ猫なで声…嫌な予感。

絶対、俺によからぬことを頼みたいにちがいない。




「言っとくけど、またテレビの取材だったら、お断りだからな」


「ぎくぅ」




…わっかりやす。




「そ、そこをなんとか…」


「はーっ!?前も『これが最後』って言っただろーが!」


「どうしても!って頼まれたんだもんっ。店の宣伝になると思えば断れないし…。
ねーお願いよ、晴友ぉ」




ベイエリアのここら近辺は、観光スポットやデートスポットとして人気で、レストランやカフェが多く並ぶ。


その中でもうちは人気店としてけっこう有名で、雑誌にもよく載るし、テレビの取材も珍しくなく、けっこうな時間幅をとって紹介されるんだけど…。
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