イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で
「ついてきて」と暁さんに手を引かれて向かったのは、休憩室の奥にある倉庫だった。
ここには店員の制服や事務用品がしまってあるんだけど…。
「じゃーん。これ着てみなよ」
そこから暁さんが出したのは、黒いワンピースだった。
「これは…?」
「日菜ちゃんたちホールの女の子の新しい制服だよ。
美南ちゃんにはもう渡していたけれど、日菜ちゃんはまだだったろ?」
「は、はい…」
「祥子さん、たぶん日菜ちゃんを見てムラムラっとなって作ったんだろーな。あの人、ほんとこういうことは早いから…。
…しっかし。メイド喫茶にでも転身でもするつもりか…?」
って暁さんがぼやくくらいに、制服は今のデザインがちがっていた。