イジワル先輩さま、ご注文は甘い恋で


暁さんがひっきりなしにノックするので、緊張を沈める余裕もない。



うう、わかりました…っ。

もうどうとでもなれっ!


と、目をつぶりながら思い切って出てみた。



けれど、


しん、としていて、反応はゼロ…。


暁さんの声すら聞こえてこない。



…やっぱり、わたしには似合わなかったかな…。



と、うっすら目をあけたとたん、わたしは硬直してしまった。




「ほらな、言いもん見れただろ、晴友くん」




って、勝ち誇ったように言う暁さんと、




晴友くんがいたから…!




うそ…!!

晴友くんが来てたなんて全然気づかなかった…!


そうか…暁さんが連れてきたんだ…。


どうして…??


ひどいよぉ…!
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